微風が電気に変わる風力発電

 風力発電は、風の力で風車のブレードを回転させ、回転運動によるエネルギーを電気エネルギーに変換することで電気を生成する発電方式です。風の運動エネルギーの4割程度を電気エネルギーに変換することができ、大型化に伴って効率も上昇します。

火力発電や原子力発電とは違い、発電過程で排気ガスやCO2が発生しないため、地球環境にやさしい再生可能エネルギーとして世界各国で普及が進んでいます。

風力発電の歴史

風力発電は1887年にイギリスで出力3kWの発電を行ったのが最初と言われていますが、風車自体は紀元前3600年頃のエジプトですでに揚水や灌漑農業に利用されていたという記録があります。
中世のオランダで干潟の排水用に風車を利用して干拓を行われたのは有名な話ですが、干拓以外にも小麦の粉ひきや脱穀、たばこの製造、羊毛の圧縮など様々な用途に風車は用いられたそうです。
日本では1869年に初めて横浜に風車が設置されました。井水の汲み上げ等の動力源として徐々に普及し、2004年頃から本格的に風力発電が導入され始めました。2014年4月時点で国内には約2000台の風車が設置されています。

意外と知らない風力発電のあれこれ

1.扇風機のような首振り機能搭載

「季節風」という言葉がありますように、風向きは季節や天候によっても時々刻々と変化しており、島国である日本は特に風向きが変わりやすいそうです。せっかく強い風が吹いてもブレードが風を受けにくい向きであれば十分な発電ができません。一般的な大型風力発電では風向き検知センサを用いたヨー制御を行っており、常に風向きに対して適切な向きに首を振るような自動制御を行っています。

2.木の葉が動く程度のそよ風で発電が可能

沿岸部を車で走っていると遠くからでもわかるくらい大きな風力発電機を見たことありませんか。風車は重さ数トン~数十トンのブレード3枚で構成されているため、強風でも吹かない限り動かないような印象ですが、実は風速2m/秒程度でブレードは回り始めるそうです。「顔に風を感じる、木の葉が動く」風速が2m/秒のため、そよ風程度で重たいブレードが回転するとは驚きです。
風速3m/秒から13m/秒程度までは風速の3乗に比例した発電を行い、13m/秒から25m/秒まで定格出力運転を継続します。25m/秒を超えるような暴風の際には安全のため、ヨー制御によって風を受けにくい方向に首を振ることでブレードを停止させるそうです。

風力発電のこれから

前述の通り、環境に優しく微風でも発電できる風力発電ですが、安定して大量の発電を行うためにはやはり常時強い風が吹き、かつ複数台の発電機を設置する必要があるため、設置場所はかなり限られます。陸上より風が強く十分な設置面積を確保できる、すなわち海の上に風力発電機を設置する洋上風力発電が注目されています。現在までにNEDOや複数の企業が研究を続けており、実用化が進めば原子力発電所200基分の発電が得られるという試算も出されています。今はエネルギー自給率わずか5%の日本ですが、いずれは風力発電によるエネルギー大国となる日は遠くないかも知れません。